学会概要&設立趣意書
|
◆日本未来学会とは◆
日本未来学会は、1968年、未来予見のための学問的可能性の探究をめざし、日本で設立された学際性を重んじる学会です。
設立にあたっては、未来学は諸科学の総合の上にはじめて成立するとの考え方のもとに、以下の点を趣意書において行動指針として記しています。
1.従来のすべての学問的業績と遺産を継承し、
2.しかも、既成の観念にとらわれない創造的な思考と精神を発揚するため、
3.さまざまな学問、専門の分野がそれぞれの境界を超えて手をにぎり合い、
4.さらに、たえず幅の広い国際的な接触と交流につとめなければならない。
設立以来、40年目に入りました。この間、上記のような行動指針に基づき、 時代性を有するテーマのもとに専門横断型の研究集会、または一般公開のシンポジウム(国内外他団体・学会との共催を含む)を開催してきました。
最近のおもなシンポジウムは、次の通りです。(活動歴へ)
・ 2001年 9月 ミレニアム展望「科学技術の未来と倫理」(科学技術分野)
・ 2001年12月 三重・畿央シンポジウム 「日本の未来首都」
・ 2002年11月 ミレニアム展望「科学技術の未来と倫理」(生命科学)
◆新日本未来学会への衣替え◆
しかしながら、会員の高齢化に伴い、退会者も増え、活動が低下してきました。そこで、未来研究に再び活力を与えるべく、当会の設立の主旨を活かしつつ、未来に関心をもつ人であればだれもが参加できるようにし、学会の組織体制も見直すことになりました。
その結果、平成19年度の総会・理事会で、同年7月より、会則を改正し、新日本未来学会として再出発することが承認されました。
また、これまで専門諸分野の学会に一つ以上に所属していることとしていた入会条件をなくし、より入会しやすくいたしました。
◆日本未来学会 設立趣意書◆
遥かなる過去から遠い未来まで時の流れは悠久である。その流れの中を人類はすぐれて未来を考える生物として生きつづけてきた。人類にとって未来は常に可能性を約束した。その可能性に人類は常に挑みつづけてきた。
自ら取り巻く自然を変え、環境をつくってきた生物、それが人類であった。その足跡はとりもなおさず人類の歴史であり、その結果をわれわれは文明と呼ぶ。
現在のわれわれの眼前にもさまざまの可能性をふくんだ未来がある。その可能性を探求し、予見することによって、われわれはこの偉大な文明の構築にさらに積極的に価値あるものを付加しなければならない。然るに、ひるがえって現代文明の姿を直視すると、そこにいくつかの重大な危険のはい胎があることに気付く。人類の文明の前途に横たわるこれらの危険をあらかじめ探知することはできないものなのであろうか。
もとより未来は不確定である。可能性は単数ではなく、常に複数である。望ましき可能性から危険な可能性まで、それは無限であるともいえよう。更にその前にわれわれは何を基準に望ましいとするのか、あるいはまた、危険とするのか、それが第一に問題である。われわれはこの不確定なる未来を予見することの重要性を認識すると同時に、そのための学問的な準備がまだほとんどなされていないことを看過するわけにはいかない。
日本は明治維新以来百年の間に、欧米諸国がそれに倍する年月の間に経験したことをなしとげてきた。そのために社会的環境の変化はそれだけ急激であった。しかも、とりわけ狭少な国土と多くの人口を持ち、伝統的な社会と文化を築きあげてきた日本であったが故に、いろいろな面での新しい変化の兆しの芽生えがそれだけ早かった。それは我々が世界の国々に先がけて未来を予見することの学問的準備をはじめなければならないときを迎えていることを物語るものではあるまいか。我々はその準備を急がなねばならない。ちなみに最近、諸外国でも未来予見のための新しい学問的関心が急速にたかまってきていることを見逃すことができないであろう。
この新しい学問をつくりあげるために、我々は、
こうした努力を通じて、我々の未来への予見は次第に確実性を増してゆくであろう。同時、我々が未来のために用意しておかなければならないことは何であるかを知ることができるであろう。日本未来学会は、そのような学問的可能性の探求のために設立された。
くり返していうまでもなく、未来学は諸科学の総合の上にはじめて成立する。そこで要求されるものは、十分謙虚で説得力のある現状把握と、なにものにも拘束されない豊かな想像力である。而して国際的な接触と交流に積極的につとめることにより、さまざまな学問の境界を超えると同時にさまざまな国家、民族の境界を超えることによって、人類的規模での未来の可能性を探求することが目標とされなければならないであろう。
◆新日本未来学会会則◆(平成21年6月20日改正)
第1条「名 称」
本会は日本未来学会(Japan Society for Future Research)と称する。但し、平成19年7月より3年間は本会の通称を新日本未来学会とする。
第2条「事務所」
本会の事務所は東京都に置く。なお、必要に応じて支部をおくことができる。
第3条「目 的」
本会は未来社会の予測、計画、管理などに関連する諸問題の理論的、実証的研究を促進し、あわせて未来研究の方法論的深化と体系化、研究の組織化、総合化をはかることを目的とする。
第4条「事 業」
本会は前条の目的を達成するために、つぎの事業を行う。
1.会員の研究の発表と意見交換。
2.会議(国際会議を含む)の開催。
3.講演会、セミナーなどの普及活動。
4.内外諸関係学会、研究機関、団体などとの連絡、交流、協力。
5.調査研究。
6.ネットワークによる会員連絡等。
7.出版物の刊行。
8.その他、本会の目的を達成するに必要な事業。
第5条「会 員」
会員は未来研究に関心をもち、かつこれに関係する専門的知識をもつ者とする。
会員として入会を希望するものは、所定の申し込み用紙に記入し、事務局に提出する。常任理事の審査をえて承認する。
第6条「退会および除名」
会員は、本人の申出により退会することができる。
会員が会費を5年以上にわたって滞納し、または著しく本会の名誉を毀損する
行為があったときは、理事会で審議の上、除名することができる。
第7条「賛助会員」
会員のほか本会に賛助会員をおく。賛助会員は本会の目的に賛同しその事業
を援助する個人または法人で、理事会が承認したものとする。
第8条「役 員」
本会の事業を運営するためにつぎの役員を置く。役員の任期は就任の月より2ヶ年とし、重任を妨げない。
1.会 長 1名 理事の互選によって決定し、この学会を代表し、
理事会の運営を統轄する。
2.副 会 長 若干名 会長が理事会の同意を得て委嘱する。会長を補佐して理事会の運営にあたる。
3.常任理事 5名以上15名以内 理事の互選によって決定し、会務を執行する。(会長、副会長を含む)
4.理 事 20名以上50名以内 会員の直接選挙によって決定し、会を運営する。(常任理事を含む)
5.監 事 2名 会員の直接選挙によって決定し、会計および
会務執行状況を監査する。
6.事務局長 1名 学会の事務を統括し、会長、副会長がともに不在か、事故の場合は会長を代行する。
第9条「顧問・名誉顧問」 本会に顧問若干名を置くことができる。また本会の活動に特に貢献のあった者を名誉顧問とすることができる。顧問及び名誉顧問は総会の同意を得て会長が委嘱する。顧問及び名誉顧問は会費を免除する。顧問の任期は4年とし再任を妨げない、名誉顧問の任期は終身とする。
第10条「運 営」
本会はつぎの運営組織をもつ。
1.総 会 会員をもって構成し、学会の意思と方針を決定する。
総会は少なくとも1年に1回開催する。
総会は会員の3分の1以上をもって成立し、決議は出席者の
過半数の同意によるも のとする。
2.理事会 理事をもって構成し、学会の事業の運営と執行の責任を負う。
理事会は全理事の過半数の出席をもって成立し、決議は
出席の過半数の同意によるものとする。
3.常任理事会 理事会の委託を受け、会の通常会務の執行にあたる。
第11条「学術大会」
第4条第1項の事業を遂行するため、毎年少なくとも1回以上、学術大会を開催する。学術大会での研究発表は会員に限る。
学術大会での発表要領、及び経費負担等については常任理事会で定める。
本会の会計年度は毎年4月1日に始まり、3月31日をもっておわる。
第12条「経 費」
本会の経費は、会費、寄付金および補助金などでまかなう。
会費は総会で定める。
本会の会計年度は毎年7月1日に始まり、翌年6月30日に終了する。
但し、翌年度の総会が6月以前に開催されるときは終了時期を総会開催月の前月末日までとする。この場合、翌年度は総会開催月の1日から始まるものとする。
第13条「解 散」
本会は総会において、出席者の3分の2以上の同意を得て解散(残余資産の清算を含む)することができる。
(附則1)
1.「会費」
会費は 会 員 年額 3,000円 とする。
賛助会員 年額 30,000円(一口)とする。
2.「会則の変更」
この会則の変更は、総会における出席者の3分の2以上の同意によって行われる
ものとする。
3.「事務所」
本学会の事務所は、〒135-8473 東京都江東区深川 2-6-11 富岡橋ビル
財団法人 未来工学研究所内に置く。
(附則2)
1.本会則は昭和43年に設立された日本未来学会の会則(以下旧会則という。)を(資産を含めて)継承するものであり、平成19年7月24日より施行する。
2.本会則の施行をもって旧会則は廃止する。
3.旧会則の廃止により、旧会則の会員は本会則の会員とみなす。
4.旧会則の廃止により、旧会則の役員はすべて辞任したものとみなす。
5.第12条の規定に拘わらず、平成19年度の会計期間は平成19年4月1日から平成20年6月30日までとする。
6.平成21年度総会により、第8条「役員」3項で常任理事の定数を変更。第12条「経費」で会計年度に但し書きを追加。