日進月歩で進歩・変化する情報技術(IT)は、我が国の主要な社会基盤を形成しつつあり、その影響は、経済、文化、生活など広い範囲に及んでいる。このような情報技術は、我々の生活に利便性や快適性をもたらしてくれる反面、セキュリティの確保、情報格差の拡大といった問題が顕在化している。特に近年、インターネットやコンピュータリソースのオープン化、さらにはモバイル通信など新しいメディアの登場により、情報セキュリティ技術もこれに連動して進歩していく必要がある。本調査研究は、以上のような情報技術の発展動向や社会動向を踏まえて、将来にわたって安全な情報インフラを構築し、国として取り組むべき中長期的な研究開発課題を体系的に明らかにしようとしたものである。