21世紀における日本の将来を展望する時、明治維新以降、2つの世界大戦をへて、これまで営々と築きあげてきたわが国の繁栄に蔭りがみえ、日本の「衰退」はすでに始まっているという見方が強くなっている。
このような日本の危機や衰退を指摘したり警鐘を鳴らす書籍や資料は増加しているが、いずれも分野縦割りであったり、予測だけに終わって有効な対策(戦術)を提示し、それを政策提言に結びつけるような報告書は皆無といってよい。
このような事情に鑑み、本調査研究において日本の来るべき未来を予見し、日本の衰退を回避できるような危機対応戦略と具体的な戦術、とりわけ科学技術の果たす役割について、具体的に提示することをめざしている。なお、本調査は、財団法人新技術振興渡辺記念会の調査研究事業の一環として実施するものである。