科学技術の諸領域のなかでも、社会や国民生活と密接に関係しており、かつ公共的性格が強い領域の技術については、国の機関が中心となって研究開発を推進すると共に、その成果を社会システムの構築に反映していく事が望ましいと考えられる。また、これらの分野の技術開発検討に際しては、事象の定量的/工学的把握を中心とした知見だけではなく、人間の行動や心理、社会動向等、定量化の難しい要件を把握するために、人文・社会科学的知見を加えた学際的な研究開発取り組みが必要となる。本調査は、このような特徴を持つ技術(「社会技術」)の研究開発とその社会への反映を促進するために、まず既存の技術体系では捉えきれない社会技術のフレームを検討した。次いで人文・社会科学と自然科学の学際的取り組みによる今後の研究課題、および課題研究に取り組む先端の研究人材を探索した。以上の調査により、エネルギー・資源研究分野での今後の社会技術研究取り組みに資することを目的として実施した。