近年、人間の身体への「増進的介入」をめざすエンハンスメント技術の登場により、これまでの古典的な身体観が大きく見直されようとしている。具体的には、眼鏡やコンタクトレンズから人工眼内レンズなどの視力を補強する技術、電動車いすやパワースーツなどの歩行アシスト技術などが日進月歩で進化し、社会に普及しつつある。
日本は世界最高・最速の超高齢社会である。そこでは、エンハンスメント技術が大きな役割を果たす。同時に、エンハンスメントの許容範囲、副作用や誤動作問題、新たな社会的格差の発生、社会インフラ整備、利用のための社会的ルールづくり、といったことを検討すべき時期にきている。(民間企業委託)