宇宙開発は地球を外から眺めることを可能にし、宇宙の中の「かけがえのない星」という地球観、また宇宙へ飛び立った宇宙飛行士たちの新たな生命観が、我々の意識に大きな変革をもたらしている。現在我が国も参加して国際協力により建設が進められている国際宇宙ステーション(ISS)は、単なる宇宙インフラストラクチャーとしての利用や理工学的成果にとどまらず、新しい宇宙観、地球観、生命観を育み、新しい文化・産業の創出をもたらす可能性が秘められている。本研究では、このような宇宙活動が人類にもたらすと考えられる新しい視点や可能性、またそれとは逆に宇宙活動において克服されるべき人文社会科学的諸課題等について、従来の理工学的視点に偏重せず、多分野の研究者・有識者が参加して自然科学、人文・社会科学が融合した総合的な視点から議論し、その成果を広く社会に提言することを目的とする。