伝統芸能諸分野では、邦楽器をはじめ衣裳、小道具類等、実演に不可欠な用具が数多く使われているが、令和2年度実施の調査を通じても、近年の様々な情勢の変化に伴い、用具製作の技術者や原材料生産の担い手が減少し、供給が途絶えるなど、伝統芸能の実演家等の間で用具・原材料の入手困難な状況が深刻化している実態が明らかになった。伝統芸能の確実な継承のためには、これら用具を将来に渡って安定的に確保・供給することが重要であり、用具製作の技術者や原材料供給に関わる担い手の養成・技術継承等、実効性のある方策と関係者の取組が必要となると結論付けられた。
このため、本調査は、伝統芸能の確実な継承を図るため、関係する諸団体等の協力を得つつ、入手困難等の状況にある用具・原材料やその製作・供給を担う技術者等が抱える問題点等の実情を把握し、その持続的・安定的な確保に資する方策を検討することを目的として実施したものである。
(文化庁委託)
令和3年度伝統芸能用具・原材料に関する調査事業