遺伝子解析に基づく体質診断ビジネスや予測医療ビジネス等といった、いわゆる遺伝子関連ビジネスがここ数年来、商品として消費者市場に出回り始め急速にそのマーケットの規模を拡大させつつある。
このような医療機関を離れ直接消費者に提供されるDTC(Direct To Consumer)遺伝子解析関連サービスの普及は、新たな科学的知見を利用した生活質の向上という利点だけでなく、遺伝差別や優生思想の発露の助長と言った問題点も孕んでいる。平成18~19 年度科学技術振興調整費課題「遺伝子診断の脱医療化・市場化が来す倫理社会的課題」(研究中核機関:北里大学)では、この課題の調査研究の一環として、2007 年2~3 月に一般消費者およびDTC 遺伝子検査関係職種企業人(以後、関係職種企業人という)を対象とし、遺伝子解析関連サービスに関する意識調査アンケートが実施された。
本研究では、上記アンケート回答結果(一般消費者有効回答数:3,000、関係職種企業人有効回答数:228)から、国民のDTC 遺伝子検査関連意識構造を分析することを目的とした。